情報処理技術者試験の分類と意義

6月上旬から7月末にかけての間、仕事の方は結構忙しかったのに、8月に入って急に仕事の方が暇になってしまったでらっちです。
そろそろ大学院の研究の方に本腰を入れろというフラグなんでしょうか。
忙しい時と暇な時の落差が激しいので、安定した時間を割ける案件があればと願っているところです。

ここ2年ほど、諸事情で受験をサボっているのですが、就職してから前職の時まで、割とルーチンのように、毎年4月と10月に2回開催される「情報処理技術者試験」を受験しておりました。
情報処理技術者試験は、経済産業省が所管する国家試験であります。「情報処理の促進に関する法律」に基づき、昭和45年(1970年)から実施されております。
最近は、IT系の資格試験も有名ベンダーさんが行うベンダー試験などがあり、非常に種類が増えていますが、これらのベンダー試験は受験料が結構お高い(2万〜3万円くらいかかるのはよくある)のに対し、情報処理技術者試験は国家試験でありながら、受験料も5,700円と比較的割安です。(私が最後に受験した2年前は5,100円だった記憶がありますが、値上げしてたんですね)
受験料に関して言えば、ジャンルは違いますが英検やTOEICなどと同価格帯。

なぜ毎年ルーチンのように受験していたのかと言いますと、情報処理技術者試験は下の図に示す通り、試験のレベルがレベル1〜レベル4まであり(レベル4が最も難しい)、かつレベル4の試験(ひっくるめて「高度試験」と呼ばれる)は、現在は8種目の専門化した試験に分かれており、試験区分が多いんですね。


私の場合、現在のレベル2にあたる基本情報技術者試験(私が受験した頃は「第2種情報処理技術者試験」と呼ばれていました)は大学3年の時に、レベル3にあたる応用情報技術者試験(受験当時は「第1種情報処理技術者試験」)も入社1年目の新人の時に合格していましたので、それ以降受ける試験は、必然的にレベル4の「高度試験」だけを受けることになっていました。

現在の試験制度をおさらいしておきますと、
  • ITパスポート試験(レベル1)
    ITを利活用するための共通的基本知識が問われる。合格率約50%(以下H29年データ)
  • 情報セキュリティマネジメント試験(レベル2)
    平成28年にできた新しい区分の試験。ITの安全な利活用を推進するための基本的知識・技能が問われる。合格率約58%
  • 基本情報技術者試験(レベル2)
    ITエンジニアが最初に受けるべき試験。IT技術者としての基本的な知識・技能が問われる。合格率約22%
  • 応用情報技術者試験(レベル3)
    数年のキャリアを積んだITエンジニアが受けるべき試験。IT技術者としての応用的な知識・技能が問われる。合格率約21%
ここまでがレベル1〜3の試験です。基本情報・応用情報あたりになると、このあたりで合格率が20%ちょっとと、結構低めになっています。

レベル4の高度試験は、現在は8区分に分かれています。平成28年までは9区分だったのですが、そのうちの情報セキュリティスペシャリスト試験は、平成29年から新たな国家試験「情報処理安全確保支援士」に移行し、情報処理技術者試験の区分からは外れました。
基本情報技術者試験あたりだと、受験者が学生から若手エンジニアまでと裾野が広いので、年間の受験者も十数万人といった数になりますが、さすがに高度試験だと、応募する時点で相応の経験を持つ人に限られ、応募者の数も5,000〜20,000人弱と精選されてますが、どの区分も合格率は例年12〜18%とかなり低めです。

高度試験の区分は、
  • ITストラテジスト試験
    経営戦略に基づいてIT戦略を策定していく人向け
  • システムアーキテクト試験
    システム開発の上流工程を主導し、業務に最適なITシステムの全体像を設計する人向け
  • プロジェクトマネージャ試験
    システム開発プロジェクトの責任者として、プロジェクトを管理・運営する人向け
  • ネットワークスペシャリスト試験
    ネットワークの固有技術やサービス動向に精通したスペシャリスト向け
  • データベーススペシャリスト試験
    データベースの固有技術に精通したスペシャリスト向け
  • エンベデッドシステムスペシャリスト試験
    ハードウェアとソフトウェアを組み合わせた組込みシステム技術に精通したスペシャリスト向け
  • ITサービスマネージャ試験
    情報システムの安定稼働を確保し、安全性と信頼性を確保する技術者向け
  • システム監査技術者試験
    独立した立場でITシステムを監査し、ITガバナンスやコンプライアンス向上に貢献する監査人向け
という区分です。一口に高度試験と言っても、専門分野が全然異なるのはご覧になってわかるかと思います。

ちなみに私は「システムアーキテクト」「ネットワークスペシャリスト」「エンベデッドシステムスペシャリスト」と、今は区分からは外れましたが「情報セキュリティスペシャリスト」の4区分に合格しています。
本来ならば一番エンジニアとして脂の乗りきった30歳台の頃は、病気で体調を崩していて、受験しても結果に結びつかなかったのですが、この4つはいずれも40歳台半ばの頃に受験して合格しました。
3年前のシステムアーキテクト受験のときなど、朝9時半から夕方4時半までの試験の最後に課される3000字級の小論文の手書きで、腕が攣るかと思った覚えがあります。

情報処理技術者試験については、業務に直結しないのであまり意味がないというようなことを言う方もいます。
確かにWebとかAIとかIoTとか、そういった個別の技術分野に特化した試験ではないため、自分の知識がフルに活かせないと思われる方もいるとは思います。
しかし、例えばWebといっても、フロントエンドのコーディングだけではなく、本来はサーバーやネットワーク、データベース、セキュリティといったところまで絡む裾野の広い範囲の知識が要求される分野だと思います。
個人的には、情報処理技術者試験は幅広い範囲の知識が問われる試験だと思いますし、特に高度試験については、業務を経験していなければ合格は難しかっただろうと思う節があります。(業務知識だけでロクに試験勉強もせず臨んていたという話も(笑))
企業によっては報奨金や昇給がある場合もありますし、受験料も安いので、個人的には、エンジニアの皆さんには、専門分野に関係なく、腕試しとして、また技術的な視野を拡げるために、積極的に受験してみることをお薦めしたいと思います。